決算予測ウェブアプリの開発背景

決算予測ウェブアプリの開発背景

会計ソフトは比較的安く利用できるようになりましたが、会計の分析ソフトはまだ高価で使い勝手もあまり良くありません。そこでスプレッドシートを利用して柔軟な機能を実現しました。

会計ソフトの目的と経営者の意識

会計ソフトの目的

会計ソフトは事業の取引内容を記録することを主な目的としています。一般的には貸借対照表や損益計算書を出力する機能があります。これらは記録された会計データを集計することで作成されており、現在の経営状態を知る重要な手がかりとなります。

さらに最近では会計データの入力の手間を省くための機能が付加されており、取引の記録ツールとして便利になっています。

経営者の意識

事業を経営されている方がよく気にされる会計上の数字は、売上、利益、税金です。このうち税金は将来的に納付しなければならないお金です。経営者の方はその資金準備のために前もって税額を知りたいという要望を強くお持ちです。

また経営判断は先を見越して行う必要があるため、売上や利益に関しても見込み値を重視される傾向があります。

両者のズレと解決策に残る問題

会計ソフトの目的と経営者の意識の時間軸を見ると、会計ソフトは過去から現在に重点を置くのに対して、経営者の方は現在から未来に重点を置かれています。

この差を埋めるためには会計データの未来を予測することが必要です。この役割を担っているのが分析ソフトです。

しかし分析ソフトには、使い勝手があまり良くなかったり、ソフトの価格が高価だったり、という問題が残されています。さらに根本的には未来の会計データを予測できるのかという問題もあります。

決算の損益予測は可能か

予測手法の一般論

予測を行うための数学的なモデルは多数存在しますが、共通することは過去のデータから傾向を読み取り、その傾向が続くという仮定の元で未来のデータを予測することです。

このため高い精度で予測を行うためには、過去のデータが多量に必要であり、突発的な現象があまり発生しないことが条件となります。

決算予測の可能性

会計データは上記の高い精度で予測を行える条件に該当しません。

なぜなら、毎月支払いがある費用を見ても年間12個のデータしかなく、期間を長くしたとしても傾向の変化(物価や為替の変動)が生じるためです。また、突発的な事象として、新規事業の開始、税制改正なども挙げられます。

それでは会計データの予測精度を高めるためにできる方法はないのかというと、経営者の方にヒアリングを行い予測に反映させることが有効です。これにより過去の会計データからは読み取れない未来の傾向を予測に取り入れることができます。

会計事務所が提供すべき価値

タイムラグのない予測情報

経営者の方のお役に立つことが会計事務所の使命です。このため未来の売上、利益、税金を予測してお伝えすることが大切です。

しかし、この予測に時間がかかれば、ヒアリング前に予測を行い「予測からどの程度の差がでます」と実感しにくい報告や、ヒアリング後に「以前の打ち合わせを反映させた予測です」と思い出しながら見なければならない報告になってしまいます。

そのためヒアリングの場で予測を行い、すぐに実感していただくスピード感が経営者の方に提供すべき価値だと考えます。

実現するためのツール

スピード感のある予測を行うことは、手作業では不可能であり、使い勝手の良い柔軟なツールが必要になります。そこで開発したのが決算予測 for 弥生会計(法人)です。

弥生会計は一般的に広く使用されている会計ソフトであり多くのケースに対応でき、簡単にエクスポートできるデータを使用することで手間も最小に抑えられます。また出力をスプレッドシートにすることにより、経営者の方へのヒアリング内容を直感的に反映させることができます。

このツールをウェブアプリとして実現することで、インストールなどの準備も不要で誰にでも利用していただける仕様にしています。

お読みくださり、ありがとうございました。